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2011-07

茨城大学エネルギー工学の講義を終えて

6月30日。今年で二年目、エネルギー工学の非常勤講師を務めた。機械工学の中で、新入生にエネルギー工学についての講義をする。いきなり熱利用の話ではついてこれないだろうと、日本のエネルギー事情について講義することにした。授業中、東日本大震災後の節電で、教室にエアコンは使えない。私も学生時代に戻ったような雰囲気で、今どきの学生が団扇と水筒を持って、教室に入ってきた。みんながやればそれに従いやすい、日本人性向を感じるが。 熱いせいか、昨年よりも居眠りをする学生が少なかったような気がする。大学は受験勉強のストレスを解消し、学生生活を謳歌しつつ、就職活動をするというのが、四年間の生活スタイルが今どきの学生たちであるが、東日本大震災の悲劇から、日本の電力事情について、大変興味を持っていて、約1時間の講義後の質問は、再生可能エネルギーの現実性に集中した。面白いのは、風力発電や地熱発電は、環境、つまり景色が日本になじまないなどと、人気がなかったことだ。また、日本は風力発電につかう機械要素を輸入に頼っていると思っていることも、今風のメーカ事情を知っているようで、意外と言っては失礼だが、面白い。私が、太陽電池で、かつて週刊ポストかなんかで、日本国土の5%程度の面積があれば、9900億キロワットといわれる日本の年間消費電力をカバーできるという記事があったいって、立命館大学が測定した太陽電池の発電データを引用、面白半分に試算したの示してみた。なるほど、計算上は、確かに5%もあれば十分であるという答えがでると、こういう話をすると、学生には、なぜ太陽電池の普及がいまひとつなのか、わからないという質問。 日本は、税金で賄ってもらうときっと普及する。自分で進んでリスクを取らないが、大会社がやってくれると、少し金を出して、今の電気代を支払うように協力する。だから、政治力が弱いときは、前に進まないのである。大企業がやって、みんなでやることには従えるのだ。学生たちには、エネルギー工学とは資源とエネルギーの研究だから、常にどうあるべきかというビジョンを持って、社会で活躍してもらいたいものだ。電力を得るのに、一方は熱の移動によって動力を得て電機に変換するシステム、他方は電子を直接取り出すシステムという二通りがあるが、とてもその話までには入れなかった。

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